1993年、東京の下町、天ぷら屋にて。
I先生「タナベ先生、医療においてもっとも"大切な事"は何だと思う?」
私 …(しばらく考えた後)…「知識ですか?」
I先生「俺はな、『愛』だと思う。というのはな、動物に対しても、クライアントに対しても、愛がないといけないんだ…(しばし熱く語る)」
I先生の口から、全く不釣り合いな『愛』という言葉には驚きましたが、この命題は難問でした。自分自身の答えに満足できなかった私は、"大切な事探し"を始めました。それから数年後、いろいろな経験を経て、私は『考える』事が医療において大切な事ではないかと考えるに至りました。病気に対しても、動物に対しても、クライアントに対しても、スタッフに対しても、家族に対しても、考えに考え抜く事がスタートだと結論を出しました。
現在では、本院の理念の一つでもあります。相手の事を考えた良質な優しい医療を提供したいと思います。お困りの事はご相談ください。一緒に、良い解決策を考えましょう。
院長 田邉悌次郎
きりん動物病院の朝は、毎日のミーティングで始まります。入院や通院の動物の現状や今後の治療計画などをスタッフ全員で確認します。このミーティングで情報を共有し、細やかで『丁寧』なチーム医療が提供できるよう取り組んでいます。
そのため、診察では動物に代わって色々な事を教えてください。病状だけでなく、名前の由来、性格、食事の好み、ご家族の中でどのような立場にいるか、などなど。私達は疾患だけでなく、その子がどんな子なのかを知りたいのです。
そして、クライアントに対してはクライアントの視点から『考え』、動物に対しては『優しい』医療が施されているかを『考え』、病気に対しては科学的根拠に基づいた医療を行えているか『考えた』医療を提供します。小さな病院だからこそ出来る、『丁寧』で『優しい』医療を実践します。